エンタープライズサーチとは、ホワイトカラー職の生産性を著しく高める、社内用の検索エンジンです。ここでは、いまビジネスパーソンが資料を探すにあたって、エンタープライズサーチは非常に大切で、生産性の向上には欠かせないということをお伝えして行きたく思います。どのような効果があって、どのように生産性が向上するのか。そして具体的なメリットはどのような点なのか、確認していきます。
目次 |
エンタープライズサーチの誕生経緯 |
エンタープライズサーチは聞き慣れない言葉ではないでしょうか。ようするに事業横断的な検索エンジンのことです。検索エンジンといえばGoogleですが、Googleはアルゴリズムこそ機密であるものの、インターネットのすべてを網羅するといっても過言ではない検索エンジンです。
ちなみに、Googleはハイパーリンクをベースとして誕生しました。ハイパーリンクとは、インターネット上のホームページにおけるリンクであり、そのリンクをたどることで、世界中どこの誰のホームページでも、いつかはたどり着くことができるという仕組みです。
書籍『2025年のメディア』(下山進 著)によりますと、このハイパーリンクはインターネット史上、最大の「発明」で、Googleはこのリンクをたどり、強いリンクが評価するリンクを強いリンクとして再評価し、検索結果の上位に上げるというアルゴリズムを開発しました。それはGoogleの検索アルゴリズムの根幹をなす仕組みであり、現代においてもインターネットの世界を先導しています。
さて、エンタープライズサーチは、別の概念で動いています。エンタープライズサーチは社内資料が対象ですから、ウェブのようにハイパーリンクがありません。ドキュメント間の相互関係を判断する仕組みがないのです。そこで、初期のエンタープライズサーチにあったのが全文検索です。ドキュメントに書かれたすべての情報をデータベースとして捉え、瞬間で検索していく形です。
しかしこれは膨大なデータが発生するにしたがって、つまり企業が拡大してビジネスがスケールし、それにともなって資料が膨大なものになるにつれて、ヒットする検索語句の結果にばらつきが生じ、資料の関連性が損なわれるという状態になってしまいます。言い換えると、データが少ない牧歌的な時代にはうまくいっていた社内データベース検索エンジンが、データ量が膨大に増えるにしたがって、うまく機能しない状態になってしまったのです。
そこで生まれたのが機械学習による自然言語処理です。アルゴリズムつまりAIがドキュメントの意味を理解し、ドキュメント間の結びつきの強さをインデックス化することで、高速かつ自然な検索結果を導き出せるようになったのです。
エンタープライズサーチによる生産性向上とは? |
さて、そんなエンタープライズサーチは生産性の向上に一役買います。なぜなら、バラバラに散乱したドキュメントを探して回る手間をワンクリックにカットし、検索ボタンを押すだけで関連の資料が並ぶという状態にできるからです。これは大きな生産性の向上になります。
しかも、上述しました通り、エンタープライズサーチはインデックス化されていますので、スピードが早く、検索結果も正確です。インデックス化とはつまり目次のことで、索引によって辞書が上手に引けるように、インデックスを持つことで、検索のスピードも早くなるのです。
また、エンタープライズサーチは機械学習によって言葉の関連性を常にチェックしており、保存された資料の中身を言語として理解しています。その結果、関連性の高い検索が可能になるのです。全文検索の時代よりははるかに正確性が高い検索結果となります。
加えて、エンタープライズサーチは書かれていない単語でも検索結果として表示できるのです。なぜなら、自然言語処理が言葉の意味を理解して解釈しているからとなります。たとえば、「新しく立ち上げたサービスについての、市場からのフィードバック」を得たいとき、「●●プロジェクト 評判」「●●プロジェクト 顧客の声」だけでなく、「お客様の不満」「SNSで見かけた賛否両論」などの資料も、引っ張ってこれるのです。
従来なら、いちいち「評判」「顧客の声」「寄せられたご不満」「賛否両論」などのワードで何度も社内データベースを検索しなおさなくてはならなかったものが、それらの言葉の関連性を理解している検索エンジンが、自動で関連した資料を検索結果として表示するのです。
Neuron ESの魅力と強みとは? |
さて、弊社ブレインズテクノロジーがご提供するNeuron ESは、エンタープライズサーチといえば、という第一想起として、後発ながらも高い評価をいただいています。その魅力と強みとしては、検索精度の高さがあげられます。
検索の精度が高いということは、検索の失敗がなく、繰り返し別単語・類義語で検索する必要がないということです。つまりストレスも少ないですし、スムーズに検索できるので大いに生産性が向上します。
Neuron ESによってもたらされる具体的な時間短縮とは? |
では、Neuron ESを社内に導入すると、どのような時間短縮が可能になるのでしょうか。資料を検索する手間が省けて、検索の用語に対してリコメンドしてくれる機能があることで、驚くような効果があります。ここでは、実際のお客様の声をベースに具体的な生産性向上と時間短縮の例をみていきます。
まず、カシオ計算機様では、ある調査を実施しようとされていました。新しく調査を実施するにあたって、念の為に、社内イントラネットをNeuron ESで検索してみたところ、かつて同じ調査を社内で実施していたチームがあることがわかったのです。
同じたぐいの調査を行うのであれば、過去の調査を参考にしないことはないので、前のチームにたどりつき、メンバーに連絡を取り、KnowHowならぬKnowWhoとして活用できました。社内に眠る膨大なドキュメント、それをうまく活用でき、新規に調べるべきところと、過去のデータを再活用して発展させるべきところを使い分けて、時短・生産性向上につながったのです。
カシオ計算機様のように、大手企業になればなるほど、ドキュメントも膨大ですから得られる生産性向上の効果は抜群です。なぜなら、組織が大きくなればなるほど、他チームとの連携を密に取りづらくなるのは事実ではないでしょうか。隣の部署が何の仕事をしているか正確には見えづらい状態で、資料かぶりが発生してしまうことを避けるためにも、Neuron ESは役立っています。
続いては、コニカミノルタ様の生産性向上の例をみていきます。
自部門内での資料の再利用率は、隠れた生産性管理の課題です。なぜなら、再利用率が高ければ高いほど、その資料は生産性が高いということであり、同時に役立つということだからです。
また、そうなると社内の他部門における資料の再利用率も課題となってきます。社員の過去の資料を積極的に活用し、それが自部門の仕事に役立ったというよい経験が、好循環を生み出し、それを日常業務に根付かせることで、ひとりひとりの生産性向上への意識付けになります。
他にも、提案書を作る際に過去の事例を参照し、中身を活用することで、他のメンバーが書いた資料から気づきを得て、知識を増やし、結果として提案の質を向上させられる、というところにつながるのです。
生産性向上には、エンタープライズサーチが必要 |
大手企業になればなるほど、エンタープライズサーチの効果は増します。組織が大きくなり、社内のドキュメントも膨大になるからです。そこで、「ドキュメント・ドリブン」な仕事を進めていくためにも、資料をきちんと書き残すこと、そしてそれらをうまく活用することは急務なのです。
ドキュメント・ドリブンは、昨今、外資系を中心に進められている考え方ではあります。ただし、これは単に資料を書き残すというだけに終わらず、上述の通り、眠っている資料を掘り起こさなくてはならないのです。
そこで、エンタープライズサーチNeuron ESの出番となります。エンタープライズサーチのNo1として、各業界の生産性向上に役立ってきました。ホワイトカラーの生産性は、日本の課題でもありますので、その解決に向けて、走り続けてきました。
たとえば、具体的にみていきますと、一般に社員は平均週に9時間、リサーチに費やしていると報告されています。ホワイトカラーの週の労働時間において、実に25%を食っているのです。エンタープライズサーチがそのすべてを代替できるとまではいかなくとも、10%でも削減できれば、人件費としては年間3,840万円になることがわかっています。
資料探しという、あまり本質的な部分ではない仕事を、価値を持った仕事に代替できるということ。これがエンタープライズサーチNeuron ESによる生産性向上の見える化です。
(参考資料)
エンタープライズサーチがもたらす行動の変化 |
エンタープライズサーチを導入することで、仕事の仕方が変わります。これまでは、なにか新しい資料を作るとき、インターネットで資料の型を検索したり、まず学習したりしてから、資料にまとめて起こす、という作業がありました。
しかし、Neuron ES導入後は、そもそも何もないところから資料を起こすというゼロイチの作業が消えてなくなるのです。企業には膨大な歴史がありますから、その歴史が資料にも残っています。従来の検索ではなかなか探しきれなかった部分まで、Neuron ESではスムーズかつスマートに検索ができ、必要な情報にすぐさまたどり着けるのです。
これによって、仕事の進め方も異なります。大組織の中で新規事業を起こすにしても、かつて社内で取り組まれた事例、その成功と、ときにはうまくいかず学びが残った点からも、学習でき、次の成功へとつなげることができるのです。
エンタープライズサーチは、言い換えると過去の資産を最適に活用しながら、同じ会社で働いた人たちの「肩の上」にのりつつ、新しい取り組みにつなげていけるということでもあります。それだけ、資産の有効活用は歴史ある企業にこそ欠かせないのです。
まとめ |
エンタープライズサーチと生産性向上についてみてきました。生産性向上とは、単に早く見つけて仕事をテキパキ終わらせ、早く帰るということにとどまらず、仕事の本質的な価値にフォーカスし、そこに注力していくということでもあります。その手助けとして、エンタープライズサーチNeuron ESがお役に立てればと考えています。
繰り返しになりますが、資料が多く、組織が大規模になればなるほど、対象を効率よく探し当て、スピーディに動いてくれる社内検索エンジンの存在は欠かせません。人件費は固定費だから、手を書けなくても構わない、そう思われるマネジャーがいるのは理解できます。しかし、もっとも有効に人を活用し、本来的な意味での仕事に向き合ってもらうためには、「社内の資料を探す」という地味な作業に労力を割くべきではないのです。
おそらくNeuron ESを導入後は、ガラッと仕事のありようが変わるのではないかと考えられます。週に9時間の資料探しの時間が、本質的な価値を持った仕事に変わるのですから、得られるインパクトもとても大きなものになるはずです。大企業ほどこのメリットは大きく、顧客の方向を向いた仕事ができるようになります。
いま、メンバーの仕事のうち、資料探しが大きいと感じたら。書類管理にボトルネックがある可能性があります。ドキュメントを保存してNeuron ESを導入するだけで、大きな効果が得られるはずです。生産性の向上は、ツールの導入が欠かせないことがわかってきた今、Neuron ESの導入もぜひご検討ください。
お問い合わせをいただければ、ご説明資料や詳しい事例など、他にも読み応えのある資料をご送付させていただきます。